監 査 第 ９４ 号 平成 25 年（2013）11 月 8 日
出 雲 市 長
長
岡
秀
人
様
出雲市議会議長
坂
根
守
様
出雲市監査委員
周
藤
滋
出雲市監査委員
吾
郷
紘
一
出雲市監査委員
川
上
幸
博
財政援助団体等監査の結果について（報告）
監
査
結
果
報
告
書
第 1
監査の対象
財政援助団体 社会福祉法人 出雲市社会福祉協議会 ① 平成２４年度(2012)補助対象事業の運営状況 ② 平成２４年度(2012)補助対象事業の経理状況
第２
監査の実施期間
平成２５年(2013)９月２４日から同年１０月２５日まで
第３
監査の方法
今回の監査は、出雲市社会福祉協議会（以下「社協」という。）の決算書及び附 属書類を基に、関係職員に対する事情聴取を行う等の方法により実施した。
第４
監査の結果
関係諸帳簿はいずれも証拠書類と適合しており、計数的には正確に処理されてい ることを確認した。なお、事務処理についても概ね良好と判断した。
今回の監査を踏まえ、監査委員として次の３点の意見を述べる。
１． 社会福祉協議会運営費補助金に係る職員の「給料手当」について
給与規程に定める「業務手当」は、運営費補助金の対象である職員も受給して いるが、支給額の原資は、社協の判断により補助金ではなく自主財源を充当してい るとのことであった。市財政を慮ってのことかもしれないが、必要な手当であれば、 きちんと補助金請求すべきものと解する。逆に、補助対象経費とされないのであれ ば、きちんと明文化され、補助対象経費の認識にそごがないよう、市とも協議して おかれたい。
２．総人件費の縮減及び本所・支所組織の見直し等について
務実態に合わせた適正な人員配置に留意され、効率的な組織体制づくりに努めてい ただきたい。
３．社会福祉センター管理運営費補助金に関係する施設の利用料について
社会福祉センターは、平成24 年度の利用状況を見ると月平均 1,400 人近い利用 者がある。センターには貸出しできる研修室が４室と大ホールが１室あり、利用料 免除の社会福祉推進団体を中心として利用されている。現在、研修室（和室）のバ リアフリー化などを検討しているとのことだが、市の補助金額にも影響する貴重な 収入源であるので、利用者のニーズ等も考慮の上、施設の有効活用等に努めていた だきたい。
第５
監査の概要
〔監査の対象とした補助事業〕
○出雲市社会福祉協議会運営費補助金
〔補助対象経費〕
① 出雲市社会福祉協議会が行う、社会福祉を目的とした補助金交付要綱第2 条 別表に定める事業に従事する正職員又は嘱託職員の人件費。但し 30 人分を限 度とし、100 分の 90 以内の額
② 上 記以 外の 職員 で出 雲市 民生 委員 児童 委員 協議 会の 事務 局を 兼務 する 職員 の人件費。但し 1 人分を限度。
・補助金の額は①の額と②の経費として算出した当該年度における市の臨時的任 用職員の賃金の日額単価に252を乗じた額の100分の75以内の額を合算した額 を上限とし、予算の範囲内の額。
〔平成 24 年度収支決算〕 （単位：円）
[収入] [支出]
【経常活動】 【経常活動】
・会費収入（一般会費） 17,469,936 ・人件費（正規・嘱託職員） 154,043,164 ・補助金収入 145,759,040 ・事務費（福利厚生費） 431,532
計 163,228,976 【財務活動】
・その他（退職共済預け金） 8,754,280 計 163,228,976 〔平成 24 年度補助金額〕
◆職員数（平成 24 年 4 月 1 日現在）
部署 組織 正規 嘱託 臨時 パート 合計 備考
本所 1 1 事務局長
総務課 5 5（3） 10
福祉課 5 2 2 9 嘱託兼務 1 人含めず 権利擁護 5（4） 1 6 嘱託兼務 1 人含めず
支所 平田支所 3 1 1 5
佐田支所 1 1 2 正規兼務 1 人含めず 多伎支所 1 1 2 正規兼務 1 人含めず 湖陵支所 2 1 2 5
大社支所 2 2 3 7 正規兼務 1 人含めず
斐川支所 4 4 8
高齢者あんしん
支援センター
2 1 3
出雲 8 13 21
平田 5 2 7
河南 2 4 6
大社 3 1 4
斐川 2 2 4
斐川あしたの丘 7 4 7 18 合 計 58 39 17 4 118 ※太数字（正規 28 人、嘱託 2 人）＝補助金充当職員
※太数字（嘱託1 人）出雲市民生委員児童委員協議会事務局員兼務＝補助金充当職員
○出雲市社会福祉センター管理運営費補助金
〔補助対象経費〕
・出雲市社会福祉センターの管理運営に必要な人件費、需用費、光熱水費、通信運搬 費、委託料、備品購入費及び諸雑費。施設及び備品の改修及び修繕に係る経費。補 助対象経費から他の収入を控除した額の 10 分の 10 以内とし、予算の範囲内の額。
〔平成 24 年度収支決算〕 （単位：円）
[収入] [支出]
【経常活動】 【経常活動】
〔平成24 年度補助金額〕
・補助事業等の経費精算額 12,012,324 円 ・補助金交付確定額 11,742,854 円
〔社会福祉センターの利用状況〕 ◆利用料収入
269,470 円 ◆月別利用者数
4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 1,519 人 1,530 人 1,662 人 1,432 人 1,204 人 1,251 人 1,828 人
11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計 1,310 人 1,090 人 1,042 人 1,271 人 1,507 人 16,646 人 ◆利用回数
有料利用回数 減額利用回数 無料利用回数 合計利用回数 41 回 17 回 1,341 回 1,399 回
○ボランティアまちづくりセンター運営事業補助金
〔補助対象経費〕
・ボランティアまちづくりセンターの管理運営及び事業に従事する職員の人件費、旅 費及び研修費。管理運営及び事業に必要な講師謝金、需用費、光熱水費、会議費、 通信運搬費、委託料、賃借料及び諸雑費。補助対象経費から他の収入を控除した額 の 10 分の 10 以内とし、予算の範囲内の額。
〔平成 24 年度収支決算〕 （単位：円）
[収入] [支出]
【経常活動】 【経常活動】
・補助金収入 5,500,000 ・人件費（嘱託職員 2 名） 5,243,976 ・繰入金（法人繰入） 613,000 ・事務費（福利厚生費他） 69,024 計 6,113,000 ・事業費（諸謝金、通信運搬費他） 800,000
計 6,113,000
〔平成24 年度補助金額〕
〔ボランティアまちづくりセンター実施事業〕 １． ボランティアのコーディネート業務
① ボランティア登録状況
団体 個人
130 団体 2,929 人 111 人 ② コーディネート
相談 紹介
388 件 3,607 件
③ 活動場所の貸し出し・備品の貸し出し 活動場所 備品
360 件 109 件 ④ ボランティア保険への加入
ボランティア活動保険 ボランティア行事用保険
198 件 337 件
２． ボランティア育成事業
① 傾聴ボランティア研修会（受講者 74 人）
② 点訳奉仕員養成講座（受講者 6 人（修了者 3 人））
③ 広報音訳ボランティアフォローアップ研修会（受講者 延 87 人） ④ ボランティア講座（4 回開催 受講者 42 人）
⑤ 社会福祉施設等ボランティア担当者研修会（参加者 27 人）
⑥ ボランティア交流会（参加者 ボランティアグループ16 団体、約 130 人） ⑦ 読み聞かせ交流会（参加者 10 人）
３． ネットワークづくり
① ボランティア代表者会（参加者 5 人） ４． ボランティア活動支援
① 音訳広報発行活動（視覚障がい者のための「声の広報」の作成、発送、回収） ② 点訳広報発行活動（視覚障がい者のための点訳広報の作成、発送）
③ 平田地域電灯・電池交換ボランティア一斉活動（平田地域の独居高齢者や障 がい者世帯の蛍光灯の清掃等。「奉電会」「中電職員」、「日日新聞者記者」） ④ 住宅修繕奉仕活動（平田地域の独居老人宅の簡単な住宅の修繕 「平田建築
組合青年部」）
⑤ 音訳ボランティアグループ交流会（参加者 39 人）
⑥ 「ほっとだより」作成（多伎地域の高齢者のみの世帯へ見守り訪問 95 世帯） ５．ボランティア活動の啓発
○出雲市斐川福祉バス事業補助金
〔補助対象経費〕
・福祉バスの運行及び管理に要する経費のうち、バスの運行に要する人件費。車輌の 維持管理に要する経費。その他市長が認める経費とし、100 万円以内で市長が定め る額。
〔平成 24 年度収支決算〕 （単位：円）
[収入] [支出]
・補助金収入 1,000,000 ・人件費（非常勤職員4 名） 317,951 ・繰入金（法人繰入）124,461 ・事業費（車輌費、修繕費他） 806,510
計 1,124,461 計 1,124,461
〔平成 24 年度補助金額〕
・補助事業等の経費精算額 1,124,461 円 ・補助金交付確定額 1,000,000 円
◆月別運行回数
4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 0 回 4 回 9 回 3 回 7 回 6 回 4 回 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計
3 回 4 回 3 回 1 回 0 回 44 回
※なお、当該事業は平成25 年度末をもって、市において廃止の予定。
第６
財政援助団体の概要
名 称：社会福祉法人 出雲市社会福祉協議会
所在地：出雲市今市町543 番地、544 番地 3、544 番地 4 設 立：平成 17 年 3 月 22 日
代表者：会長 渡部 英二
役 員：理事 17 名（会長 1 名、副会長 2 名）、監事 3 名 評議員：35 名
〔定款に定める目的〕
〔定款に定める事業〕
（１）社会福祉を目的とする事業の企画及び実施
（２）社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助
（３）社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成 （４）（１）から（３）のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るため
に必要な事業
（５）社会福祉を目的する事業の研究及び総合的企画
（６）保健医療、教育その他の社会福祉と関連する事業との連絡 （７）共同募金事業への協力
（８）福祉サービス利用援助事業 （９）ボランティア活動の振興 （10）総合相談事業
（11）資金貸付事業
（12）社会福祉センター（出雲市社会福祉センター）の経営 （13）出雲市多伎地域福祉センターの経営
（14）地域包括支援センター事業の経営 （15）移動支援事業の経営
（16）その他この法人の目的達成のため必要な事業
〔社会福祉法人 出雲市社会福祉協議会の沿革〕
平成17年3月22日 出雲市・平田市・佐田町・多伎町・湖陵町・大社町社協合併 (新)社会福祉法人出雲市社会福祉協議会が発足
平成18年4月 高齢者あんしん支援センター事業受託開始(出雲、佐田、大社地域) 平成20年7月 権利擁護センター開所
平成21年4月 高齢者あんしん支援センター事業全市受託開始
